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大証、「スター育成」課題 新ジャスダック始動、韓国と新市場競?

 大阪証券取引所は12日、「ジャスダック」や「ヘラクレス」など新興企業向けの3市場を統合した新市場「ジャスダック」を発足した。上場企業数約1000社、時価総額は約8兆8000億円(9月末時点)で、新興市場としてはアジア最大級。ただ肝心の売買代金は、韓国の新興市場に水をあけられている。知名度の高い優良銘柄も少なく、大証は、アジアの中核マーケットになるための戦略構築を迫られている。

 取引開始に先だって開かれた記念式典で、米田道生社長は「世界に通じる魅力ある新興市場を早期に再構築する」と、市場拡大に強い意欲をみせた。だが、新ジャスダックの上場銘柄全体の値動きを示す「ジャスダック指数」は、前週末(旧市場)比0.01ポイント高の47.82と、小幅な上昇にとどまった。新規上場第1号となった雑貨製造の「トランザクション」の初値も1295円と、公募価格の1400円を下回り厳しい船出となった。

 2007年11月、大証がジャスダック証券取引所を買収する方針を示して以降、ジャスダックの経営陣が買収に抵抗するなど紆余曲折があり、今回、ようやく統合にたどりついた。

 自見庄三郎金融担当相は12日の閣議後の記者会見で、「企業の資金調達の場としての役割を一層発揮してくれることを期待する」と期待感を表明した。

 だが新ジャスダックの真価が問われるのはこれからだ。米国の新興市場「ナスダック」では、ベンチャーから世界的な企業に成長したマイクロソフトやグーグルなどの優良銘柄が市場に残っている。ジャスダックも楽天やヤフーなど知名度の高い銘柄を抱えているが、「東証上場のための通過点になってしまった」(市場関係者)のが現状で、新たな“スタープレーヤー”の育成が重要課題になっている。

 また、韓国や中国などアジア勢が台頭し、国際競争が激化している。マーケットの実力の目安となる新ジャスダックの売買代金は年間4兆1417億円(09年)と、韓国の新興市場「コスダック」の約10分の1。「香港やシンガポールの新興市場の方が勢いがあり、新規株式公開(IPO)を狙う日本企業が増えている」(中小証券)との指摘もある。

 大証は、協力関係にある米ナスダックとの重複上場を希望する企業に情報提供などの支援を始めるなど、「世界に近い市場」を目指す。(鈴木正行)

                   ◇

 ?「新ジャスダック」発足までの経緯?

 2000年 5月 大証、「ナスダック?ジャパン」を開設

   02年12月 ナスダックジャパンをヘラクレスへ改称

   04年12月 ジャスダック、店頭取引から証券所取引に業務転換

   07年 7月 日証協会長が新興市場再編案の策定を表明

       8月 ジャスダック、新市場「NEO」を開設

      11月 大証、ジャスダックの買収方針固める

   08年 1月 日証協と大証がジャスダック株の売却協議開始

       5月 ジャスダック取締役会が、大証との統合反対派取締役の退任を内定

      12月 大証、ジャスダックを子会社化

   10年 4月 大証、子会社ジャスダックと経営統合

      10月 ジャスダック、NEO、ヘラクレスの3市場を統合し「新ジャスダック」発足

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日付:2010/11/16  転載:http://www.info-rmt.jp  アクセス回数:1871


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